『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』が友情のストーリーであるように、その映画化実現にも友情がカギを握っていた。監督・脚本のテイト・テイラーと原作者キャスリン・ストケットは、ともにミシシッピ州ジャクソンに生まれ育った友人同士だ。小説「ヘルプ」がエージェントから相手にされず出版をあきらめかけていた頃、ストケットがテイラーに原稿を見せた。「ぶっとんだよ。すぐキャスリンに電話して“これはすごい。絶対に諦めちゃいけない。いつか必ず出版されるから。もしそうならなくても、僕が映画にするよ”と言ったんだ」と、テイラーは原作に出会った時の興奮を振り返る。小説とは時代が少し異なるが、ともに母親がシングルマザーだったテイラーとストケットは、自分の育ての親となった女性たちの姿をこの作品に重ねていた。テイラーは言う。「原作が描いている当時、人種や階級の異なる女性たちが共闘することはまず考えられなかった。一般に、口をつぐんでいる方がずっと楽です。声を大にして意見を言うことに意味を見出さない人は多いし、ただの怠慢から事なかれ主義をとってしまう人も多い。しかし、この小説はほんの小さなことからでも変革は始められると人々に伝えている。映画版もそうであってくれることを願っています」
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