タイトルの「式日」とは、古い言葉で儀式を執り行う日のこと。描くべきテーマを見失い、虚構の世界を構築することに意義を無くした男=主人公「カントク」は、都会を離れ、故郷を彷徨います。そんな時、深い孤独を抱え「誕生日の前日」を生きつづける「彼女」と出会います。「カントク」は「彼女」を見つめながら、自分自身を見つめなおすうちに、「彼女」の果てし無い心の闇を知るようになり、その心の闇を受け止めたいと思いはじめます。「彼女」は「カントク」に恋愛感情を抱き、依存するようになり…。「来るべきはずの明日」からどこまでも逃げ続ける「彼女」と、それを見守りつつも「虚構」を創る「現実」へ戻れない「カントク」の奇妙な32日間をドキュメンタリー風に追いかけるように綴られています。